あけましておめでとうございます、 id:numanuma08 です。年始に受験をしたGoogle Cloud Platformの資格試験の一つ、Professional Cloud Architectに無事合格しました。
この記事では合格に向けて個人や会社が何をしたのか説明します。
Professional Cloud Architectとは
Google Cloud Platformの認定資格の一つで、公式サイトでは次のように説明されています。
Professional Cloud Architect は、Google Cloud の技術を組織が活用するために必要なクラウド アーキテクチャと Google Cloud Platform に関する専門的な知識を活かして、ビジネス目標を推進するスケーラブルで高可用性を備えた堅牢かつ安全な動的ソリューションを設計、開発、管理するスキルを持ったアーキテクトです。
GCPの認定資格はいくつかありますが、その中でも最も包括的にGCPが提供するサービスやアーキテクチャについて問われる試験です。学習方法の中でも説明をしますが、GCPの主要なサービスほぼ全てに対する幅広い知識とドキュメントの読み込みが必要でそれなりに難易度の高い資格でした。
個人的にやったこと
スケジュール
2020年11月下旬から試験勉強を開始して受験は年が明けた2021年1月6日に行いました。毎日2時間行かないくらいの学習だったので、単純計算で50〜60時間の学習でした。今年は年末年始に実家に帰るなどのイベントも発生しなかったため学習時間の確保が容易でした。試験自体もオンラインで行い、受験はいつも利用しているコワーキングスペースのラボこうふの会議室を使いました。
試験勉強
まずはCourseraで提供されているProfessional Cloud Architect関連コースを完了させました。
こちら、月額が5,103円/月となっていますが登録後最初の1週間は無料です。コース内には6つの講座がありますが、2週間くらいで完走したので1ヶ月分の費用で済みました。コース内容は動画とテキストによるレクチャーのあと、確認問題とQwiklabsを使った実践が用意されています。日本語版とあるようにテキストや問題文はすべて翻訳されていましたが動画自体は英語で日本語字幕が付いたものとなります。翻訳はやや機械翻訳感があってちょっと読みにくいものでした。ただ、試験を受けるにあたって大切な内容はほぼ全て網羅されていました。まずはこのコースを受けて全体像を掴むのが良いと思います。
次にGoogleが提供しているQwiklabsを利用しました。こちらはクーポンを使って無料でした。
提供される一時的なGoogleアカウントを使って実際にGCPをブラウザやCloud Consoleから操作して課題に設定されたタスクをこなしていきます。注意点としてはちょっとでも指定されたリソースを超える利用量が発生すると一瞬でアカウントが凍結され、そのたびにサポートに問い合わせる必要がある点です。課題のドキュメントなどはすべて英語で書かれている上、時間制限もあって焦ってしまうのですが慎重に行えば難しいタスクではありません。
とはいえ、3回くらい凍結をくらってそのたびに解除を申請するのが面倒くさいので完走はしませんでした。
Qwiklabsと並行してUdemyが提供する模擬試験を受けました。
こちらの定価は6,000円ですが年末年始セールで1,610円となっていました。全部で5個の模擬試験が出題されますがすべて英語です。Google翻訳を活用しつつ利用しました。全問解答すると正解率と正誤表が表示されますが、単純に問題のリストではなく「コンピューティング」とか「ストレージ」とかと言ったカテゴリーによる分類が可能です。また、不安がある問題をブックマークしてあとから見直すことも可能でした。私はこの模擬試験を次のように使いました。
- まずは一通り問題を解く
- 問題数は実際の試験と同じ数で、制限時間も同じく2時間なのですが学習時間を確保するためだいたい1週40分くらいで解きました
- 後で見返したいところをブックマークしたり、わからないやつは未回答としました
- 間違えた部分や未回答部分、ブックマークをした部分を抽出して解説文を読む
- 解説文中にある参考資料や関連するサービスのドキュメントを読み込む
- もう一度試験問題を全部解く。合格ラインになるまで繰り返し
Cloud ArchitectはGCPのサービス全体から問題が出るため、1つのサービスについてドキュメントを読み込む作業ではとてもではないですが時間がかかりすぎます。Courseraのコース内でも紹介されていましたが、まずはGCPサービスに対する全体的な自分の知識レベルを計測してから苦手な部分を補填する学習のほうが効率的です。Udemyの模試はそういった試験勉強を行うのに最適でした。
これらの学習システムと並行して本を1冊読みました。
Professional Cloud Architect受験者の方の記事を読むとだいたいこの本が参考書として利用されているようです。GCPのサービス全体を把握するのに良いですが、2018年出版で2021年現在ではちょっと古い点もありました。UdemやCourseraと並行しつつ参考程度に使うのが良いと思います。
最後にGoogleが用意している模擬試験を使います。
だいたいこんな感じで出題されるのだな〜って雰囲気を掴むのに便利でした。Udemyで出題された模試とはちょっと雰囲気が違い、クライアントのユースケースを参考にして提案をする雰囲気があります。
試験申し込み
試験自体はオンラインで行われますが、同時にWEBカメラ越しに監視員がつく関係で時間予約が必要です。年末年始がけっこう空いていたので1月6日の午後から受験を予約しました。試験日を決めて締め切りを設定することでやる気がでる効果がありますね。
試験は専用のソフトを使って行われます。全画面で起動する上、キーボードやトラックパッドなどの入力をハンドルするらしくウィンドウの切り替えができません。これがあるのでMacの場合強いセキュリティ権限を求められます。試験直前に慌てることが無いよう、事前にインストールなどの作業を完了させておくと良いです。
試験当日
試験を受けるために必要なPCの要件は公式サイトを参考にすると良いです。受験場所ですがデスクの上にPC以外何も乗っていてはいけないため、いつも使っているコワーキングスペースの会議室を利用しました。ここはディスプレイ以外は何もデスクに乗っていないため片付けなどをする必要がないためです。
試験官と接続されるとPCのWEBカメラを使って自分がいる部屋の様子を撮影します。四方の壁、天井、机の下などを撮影して何もないことを試験官に伝えます。またスマホのインカメラを使ってPC自体も撮影しました。利用したスマホは試験中に手が届かない場所において、その場所をPCのWEBカメラで試験官に伝える必要があります。
試験中
試験中は自分が席から立ち上がったりWEBカメラから見えない場所に行くこと、またWEBカメラに他の人が映ることが禁止されています。試験時間中にトイレに行くこともできないため、受験前に済ませておく必要があります。
私は残り10分くらいでめっちゃトイレに行きたくなって試験を切り上げました...
試験時間は私にとってはやや長めで1週問題を解いたあとですべての問題を見直すのに十分な時間がありました。
試験後
試験ソフトの「終了」ボタンを押すと任意のタイミングで終了が可能です。終了するとその場で試験結果が表示されます。
これがかなりビビります。今まで受けた資格試験はだいたい試験後1週間以上経ってから郵送などで結果が通知されたので、そんなつもりでいると「えっ!?もう結果出たの??」ってなります。
この時点で表示される試験結果はあくまで問題の正解率から得られた結果で、このあと1週間以内に受験時の態度がコンプライアンス違反をしていないか精査されて正式な結果と認定証が通知されます。
ちなみにメールには「1週間以内」とあったのですが、10日くらい経過しても結果が通知されなかったため問い合わせをしたところ無事に結果が通知されました。なんだったんだ...
合格後
トップに掲載した認定証が発行されるほか、パーカーやリュックサックなどが特典でもらえます。今回はフリースをもらいました。あとステッカーやマスクも一緒に来るみたいで楽しみです。
会社として取り組んだこと
会社としては資格取得に向けて経済的な援助をする仕組みを利用しました。こういう資格取得を行う「研修」は手当とかではなく「研修費」として会社が出す仕組みがあります。数カ月間継続して受けるものなら毎月5000円、単発のものなら2万円を上限として研修費が出ます。CourseraやUdemyの金額と受験に必要な金額をこの研修費を使って会社から支払いました。
Amazonで購入した「Google Cloud Platform エンタープライズ設計ガイド」は図書費用として経費としました。
受験費用は$200なので、日本円だと1000円くらい足がでましたが、個人では経済的なコストをほぼかけずに学習と受験を行うことができました。
これからのこと
GCPチョットデキルのでアプリエンジニア兼インフラエンジニアとして活躍していきたいです。GCP上でインフラ構築を行うときに助言ができるかもしれません。連絡をお待ちしております。